木で碁石を作ったらしく
中国では古代には木で碁石を作ったらしく、中国呉の時代(222~280)に書かれた「博奕論」(韋曜)に「枯棊三百」 と記されている。「枯棊」とは、木でできた碁石のことを指し、日本の寛永年間(1624~1644)の「玄玄棊經俚諺鈔」という解説本には、「碁石は元と木を似て造る、故に枯棊と云う」と注記している。また碁石は300個が定数であったことも記されている。時代が下ると、高級な碁石は「玉(ぎょく)」と呼ばれる一種の宝石から作られた。中国唐代の「杜陽雑編」という書物に、宣宗帝年号大中年間(847~860)に日本一の碁の名手である日本の王子が来朝し、中国一の名手と対戦する逸話の記載がある。日本の王子は日本には冷暖玉という宝石の碁石があることを物語り、「本國の東に集真島有 島の上に凝霞臺とて臺上に手譚池あり 池中に玉子を出す製度によらされども自然に黒白明分有 冬ハ暖く夏は冷也 故に冷暖玉とぞにいふ日本の王子入唐して此石を冷暖玉として唐朝へ進上せらると載たり」と記されている。玉の碁石は割れやすく、日本のように音を立てて盤に打ち付けるということはなかった。中には石一個が銀貨二枚に相当するとされるほど高価なものもあったが、かつての名品の多くが、碁は退廃的として攻撃された文化大革命時代に収集家から奪われるなどして散逸してしまった。
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